よく分からなかった納体袋を簡単解説

「納体袋」。一般の方からすると聞きなれない言葉かもしれません。

今回は、そんな納体袋とは何かを、馴染みのない方にも分かるように説明いたします。

より詳しく知りたい方は、用語集の方でご確認ください。

目次

1. 納体袋とはどんなもの?

普段、目にすることのない納体袋ですが、主に病院や警察、葬儀社が使用しております。

製品の機能としては、文字通り、人の体を収容するもので、遺体を袋に納めるために使います。

その分、袋のサイズも横90×縦220㎝程度と人の体を収容するのに十分な大きさです。

袋の素材は主にビニールやポリエチレンなどでのプラスチックですが、100~180kgの体重にも耐えられるように設計されているものがほとんどです。

袋の側面に持ち手が付けられているものもありますが、付いてない場合には、袋自体を持ち上げることがありますので、その分丈夫に設計されているということですね。

事故現場や災害などの非常事態で死者が出た場合などは、納体袋だけで搬送する場面も多くなりますので、やはり、ある程度の引っ張りに強いものが必要になります。

1.1 非透過性納体袋とは 

コロナ禍で知った方もいらっしゃるかとは思いますが、非透過性納体袋という特殊な納体袋もあります。

これは、感染症対策でしたり、体液・血液の漏れを防止するため、あるいは遺体の腐敗臭を抑制するために使われたりします。

コロナ禍で非透過性納体袋が使われたのは、コロナで亡くなられた方からの感染症対策として厚生労働省並びに経済産業省が策定したガイドライン上で推奨されていたからですね。

通常の納体袋と比べて、2層、3層とフィルムが多層構造になっているのが大きな特徴です。

多層構造になっていない非透過性のものもありますが、その場合でもJIS規格の人工血液バリア性・ウイルスバリア性試験に合格しているか、独自の試験を実施して合格しているものがほとんどです。

以上、納体袋には通常仕様のものと非透過性仕様のものの2タイプあることが分かりました。

納体袋とは何か
・遺体を収容するための袋。
・サイズは横90×縦220㎝程度。
・素材は主にビニールやポリエチレンなどでのプラスチック製。
・液体の漏れ防止、感染症対策のために「非透過性納体袋」というものもある。

2. 購入場所と価格 

実際に購入するとなると、ECサイトで販売しているものもありますので、種類を問わなければ比較的容易でしょう。

しかし、一般の方がECサイト以外の販路で購入するとなると、難しくなります。

特に非透過性のものは病院や警察、葬儀社向けに限って販売しているところもありますので、一般の方が入手する手段は限られてくると思います。

続いて値段ですが、通常の納体袋であれば、ECで売られているもので、1枚当たり数千円で購入できるでしょう。

非透過性納体袋は1枚1万円前後が相場になっています。特殊なフィルムを使用、あるいは加工を施しているため高額になっているものと思われます。

製品の用途上、警察又は自治体が購入すること多いです。

その場合は入札で購入しますので、上記の値段よりも安い値段を提示、購入されているところが多いとお見受けします。

購入場所と価格
・ECサイトで販売しているものもあるが、種類は限られている。
・一般の方がECサイト以外の販路で購入することは現状難しい。
・通常仕様で1枚数千円、非透過性仕様で1万円前後。

3. 納体袋はどんな場面で使用するのか

次に用途です。主に病院や警察、葬儀社で使われていますが、自治体で災害用品として備蓄されていることもあります。

納体袋の使用が想定されるケースは、事故現場の他に、遺体の状態が悪い場合や遺体からの感染が疑われる場面が多いです。

災害時の救援の際に遺体を発見した場合も考えられます。

日本にいるとイメージしにくいですが、戦地での使用、つまり、戦時中の戦死者に使われることが世界的にはよくあります。

3.1 遺体の損傷が激しい、腐敗が進行している場合

亡くなられた方の損傷が激しい場合や、腐敗が進行している場合などは、周囲の目線を遮るために黒やグレーの納体袋が使われることが多いです。

また、その場合は臭いを抑制するために非透過性納体袋が使われることもあります。

事故現場で警察が遺体を回収し、検死のため安置所に保管する場面では、ある程度の期間、遺体を保管する必要が出てくるので非透過性納体袋に収容するケースがあります。

3.2 透明な納体袋を使用する場面(遺体の識別、葬儀の対面)

透明な納体袋を使用する場面は、遺体の識別や、葬儀が挙げられるでしょう。

ニュースでも大々的に取り上げられていましたが、志村けんさんがコロナで亡くなられ、遺族の方はご遺体と面会できず、そのまま火葬されたことがありました。

その頃から、透明な納体袋、それも非透過性納体袋の需要が急増しました。

これは、納体袋に収容して感染対策ができているのであるから、透明な納体袋であれば面会できる、拝顔ができるという遺族の方への配慮から生まれた需要でした。

ですので、透明な納体袋の使用は遺体を目視で識別したい場面、葬式で故人との対面に使われるケースが多いように思えます。

また、納体袋全体は透明でなく、顔部分だけに窓をつくりそこから遺体の顔を確認できるようになっているものもあります。

3.3 自治体が備蓄するケース

自治体が納体袋を備蓄するケースは、東日本大震災以降、多くなったのではないかと思われます。

東日本大震災では、非常に多くの死亡者が出ました。

災害救助で自衛隊が派遣され、被災者を救助するとともに遺体を収容することもありますが、その遺体を収容する納体袋は、派遣要請元の自治体が用意することが多いです。

また、遺体を発見できる時期はさまざまで、時期が遅くなればなるほど、遺体の腐敗は進行していきますので、素手で運ぶわけにはいきません。

やはり、そういった非常事態に備えるためにも多くの納体袋を備蓄する必要性が出てきたということでしょう。

納体袋の用途
・主に病院・警察・葬儀社・自治体が購入、使用する。
・感染症対策、事故・災害現場、戦地で使用されることが多い。
・遺体の損傷が激しい、腐敗が進行している場合は黒やグレーの納体袋が使用される。
・遺体の識別、葬儀での故人との面会のために透明な納体袋が使用される。
・自治体は大規模災害に備えて納体袋を備蓄していることがある。

4.まとめ:納体袋、非透過性納体袋とは

以上で納体袋と、非透過性納体袋とは何かについて説明してまいりました。

読後の感想として、意外に納体袋と一括りにできない感覚を持っていただけたんじゃないでしょうか。

たかが納体袋かもしれませんが、亡くなった方の処置をどうすればいいのかと考えれば、納体袋存外に扱うことはできないはずです。

コロナで家族を亡くされた遺族の8割が死後に故人と対面できず、ご遺体が直接火葬されたという調査レポートもありましたが、納体袋が身近なものになることもあります。

納体袋が身近になることは極力避けたいことではありますが、感染症や災害等で不可抗力な場面もあります。

そういった場面でも死者を弔うことができないか、丁重に扱うことができないかと考え、つくられたのが納体袋だと考えております。

たかが納体袋、されど納体袋ということで、本サイトでは納体袋から入り、死後のケアまで踏み込み、追求して行く試みです。

実際にどんな納体袋があるのか知りたい、こういう納体袋を求めいてるという方がいらっしゃれば、本サイトのシミュレーションをご活用ください。

本記事が読者様のお役に立てれば幸いです

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